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2011年3月12日 (土)

パチンコの構造不況 ~ 新台の功罪 ~

前回は不況に強かった筈のパチンコがダメな理由を私なりに考察してみました。

今回はもう少し掘り下げてみたいと思います。

まずは新台について。

ご存知の通り、パチンコの新台というのは毎年沢山出ます。
多くの人が一度も打たない台が一杯あるでしょうね。それくらい沢山の新台がリリースされています。

普通の業界であれば新しいものには一定のサイクルが存在します。
例えば貴方が車を買ったとして3ヶ月で乗り換えますか?なかにはそんな人もいるでしょうけれど、事故で廃車にでもならない限りは普通は何年も乗る筈です。

多くの人はパチンコの台がいくらするのか知らない筈です。一般に販売されるものじゃないですからね。
でも業界人のブログなどを見ると一部の台価格が書かれている事があります。

そういった情報によると新台として購入する場合、1台30万以上します。
10台導入するだけで300万です。そこにホールの利益が乗っかった分を打ち手が負担している事になります。

ここに打ち手でも見える部分「稼働」を考えてみましょう。
最近の新台ってどうでしょう?お店にもよりますが1週間もすると空き台が出てきて1ヶ月もするとガラガラなんてシマも珍しくないのでは無いでしょうか?

こういった稼働の悪い台がある場合、そのしわ寄せは稼働のある台に行きます。
お店は「全体で」利益を出さないといけないわけですからね。当然の帰結です。

何となく構造不況の理由がわかってきたんじゃないでしょうか?

メーカー、ホール、打ち手それぞれの立場で考えると・・・・

メーカーは新台を売って初めて商売になります。1年間新台を一台もリリースしないと極論売上はゼロですから、そんな事は許されません。
また売上を伸ばそうとするなら少しでも沢山売る事が求められます。
株式を上場しているメーカーも多いですしね(というかほとんど??)。売上をアップさせ利益を向上させる事は株主の要請でもあります。

一方ホールにとって新台とは前回書いた通り「稼働維持の為にはかかせない」ものです。
本当はそうじゃないけれど、今はそれしか無いと思っているフシがあります。
どう考えても「何が面白いんだ??この台」って思う台でも平気で導入しているホールって多いですよね?色々とメーカーとの付き合い(過去の購入実績が低いと新台が買えなかったりする。或いは本当に欲しい新台の為に抱き合わせで買わされる)があるようで、そういった真っ当な業界では既に無くなっている悪しき商習慣が残っていたりする事も理由でしょう。
※.こういうのは公正取引委員会とか取り締まってくれないのかね?w

そして打ち手にとって新台は昔の事があるからか未だに「出る」「出す」と思っている人がいたり、とにかく新しもの好きな人が群がったりする。

つまりメーカーもホールも打ち手もそれぞれの立場で正しいと思って求めたものが行き過ぎたのが今の新台乱発、稼働期間の低下(台が長持ちしない)といった結果を招いています。

その結果がパチンコ業界をどんどん縮小させていくというのは皮肉なものです。
ホール・メーカー・打ち手のバランスが崩れると崩壊に歯止めがかからなくなる。なりやすい。市場のパイは決まっているし、ある程度還元をしながら収益を得るモデルでありながらホールとメーカーは大きくなろうとする。とても自然に。

パチンコを批判する人達がメーカーもホールも単純に悪として扱う事が多いのですが、私はちょっと違うかな?と思っています。
今まで述べてきたように市場原理に基づいて比較的普通の経済活動をしている訳です。

しかしこれがパチンコというビジネスにそもそも合っていない。
普通のビジネスであれば開発のコストは開発元がリスクを犯して負担します。
その商品を仕入れるお店は仕入れ代金を自分達のリスクで負担します。
売れなければリスクを負った分だけ損をします。

しかしパチンコはどうでしょうか?最終消費者である打ち手の多くはパチンコ台の価格など知りません。また稼働しない台のしわ寄せが他に来ていても容易にはわかりません。情報格差って奴ですね。普通のビジネスに比べればかなりリスクが低いんですよね。

構造上、メーカーは売ってしまえば後の事は関係なくなる(ま、不誠実ではありますが)。
ホールはダメなら他の台で回収すればいい。中古市場に流してもいい。打ち手と接しているホールですらかなりリスクが低いと言えるでしょう。
そうなると市場原理の中ではメーカーもホールも最終消費者たる打ち手よりも他メーカー、周辺ホールとの競争に目が行きやすくなる。行かざるを得なくなる。

でもその積み重ねが市場を小さくしてしまった。多分、これからも。
誰かが確信犯で悪い事をして、市場がおかしくなったのならまだ取り返しが効く。
しかし実はそうじゃない。もちろん悪いことをしてる奴もいるだろうけど、それは今のパチンコ不況の原因じゃないと思う。一番タチが悪いけど。

これを変えるなら・・・・

メーカーの数が減らないとダメ。新台のリリースももっと抑えないとダメ。
ホールは新台購入費を抑え、抑えた分を還元しないとダメ。
打ち手は新台だからと飛びつかない。ちゃんと釘を見て、試し打ちをして回らなけりゃすぐにやめる。

今更出来るだろうか?特にメーカーの数を減らすなんて出来るだろうか?

だから「構造不況」なんです。そしてこの不況の底は見えない。

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